【JAZZ読書】葡萄をむいてちょうだい。

私が叫んだらホップして、
指をスナップしたらスキップして。
「やりなさい」と言ったら、ジャンプするのよ。

ねえ、葡萄をむいてちょうだい。あと氷も割ってね。
桃の皮をはがして。ピローの毛羽はとらないで。
タバコを吸わせて。話しかけてね、素敵に。そう。
あなたは私をワインで酔わせて。
ご馳走でお腹いっぱいにしてくれたね。

私をしつけようとしないで。だって、ラーメンが食べたいの。
私をもてなす最高の方法はこうよ:
オードブルを私にちょうだい。
お腹がぺこぺこになったら、そして、葡萄をむいてちょうだい。

コルクをポンと抜いてね。フレンチフライも。
胡桃を割ってね、ボウルいっぱいのボンボンを持ってきて。
ワインは冷やしておいて、いつでも飲めるようにね。
ただ楽しませてちょうだい!ほら、シャンパン!

私を香らせる最高の方法はこうよ:
シャネルを私にちょうだい。

私を元気付ける最高の方法は:
カシミヤのニットを私にちょうだい。
そして、お腹がぺこぺこになったら、
葡萄をむいてちょうだい。

ここに条件にかなった男になる方法を列記するわ:
贅沢させてくれて、すぐおいとましてくれる人。

私が叫んだらホップして、
指をスナップしたらスキップして。
「やりなさい」と言ったら、ジャンプするのよ。

それから、スコッチを注文したら、タクシーを呼んでね。
バラを切って、その花びらをお茶に入れてね。

ただ周りにいるだけにして、勘定は払ってよね。
外に出ないで-私を思ってて。

ミンクだけでいいのよ。
ホッキョクグマのラグがいい。
ラグに南京虫は駄目よ。
新車のサンダーバードを買ってね。

ねえ、聞こえたんでしょ。
お腹がぺこぺこになったの。
葡萄をむいてちょうだい。


Peel Me A Grape
Dave Frishberg (1962)
▪︎おすすめバージョン Blossom Dearie

フラン・ジェフリーズという、1960年代にちょぴり活躍されたセクシーさを売り物にするジュリー・ロンドン系の歌手のために作られた歌なのだとか。とにかく、ファービラスなNYの都会的な世界観に、テンポの良いセリフがとっても小悪魔的。そして、「オードブルからの葡萄をむいてちょうだい。」って、とても詩的でエロいんですけど。歌っていても気持ちい曲ですが、読み物としても楽しい一曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=bBKqDXqSBp0