小説『頑張ったのは、恋愛くらい』by.ぺぺ

ボンソワー、ぺぺです。
そう、私はJAZZシンガーなのですが17歳くらいから小説を書いてまして(未だ世にはでてませんが)。タイトルまで決まってるんですよ(笑)その名も、『頑張ったのは、恋愛くらい』。メインの登場人物は女性3名に男性1名。東京を舞台に繰り広げられる、それぞれの悩みや弱さを抱えた主人公達が、恋愛を通して自分を見つめ直し成長していくお話です。年内には完成させて、いつか書籍化(携帯版もいいですね)目指して頑張ろうと思います。

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そう思えたのも、講談社さんのFORZA STYLEさんで悪用禁止!PEPEの「媚薬ジャズの聴かせ方」という連載を始めさせていただき、予想外の反響をいただいているのです!感謝!

それもなんと、23〜24歳くらいの可愛い女子から、

「私、恋愛で悩んでいます。
ぺぺさんみたいに強くなりたい!」

なんてダイレクトメッセージが何通も寄せてただき。

「ぺぺは強くないよ。泣きてーのはこっちだよ!」

とも言えず、「順々にオトナになっていきますのでご心配せず、悪縁絶って良縁呼びましょう」なんてスピリチュアル感漂うアドバイをしたり。でも、そんな可愛い悩みもぺぺも経験済みで。たくさん、たくさん悩んで泣いて失敗して学びがあったので今があるというか。そういうお年頃なのですよね、きっと。

そんなワケで、ぺぺの恋愛小説を世に出すことで、恋に悩む人等のお役に立てればな〜と妄想してみたり。書籍化という新たな目標もできましたよ。では、良い週末をお過ごしくださいね。艶ュー!

ぺぺ


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小説『頑張ったのは、恋愛くらい』 著者:ぺぺ

繰り返す毎日から急に逃げ出したくなった。
全て投げ出したいのではなく、身のやり場を探していた。正確に言えば、止まり木が欲しかった。心身ともに癒してくれる大木。それは、明らかにあの頃ずっと欲しかった愛とか恋ではなかった。何故なら、“好き”や “愛してる”の言葉が無意味で、必要無かったから。“付き合う”って言葉の呪縛が、その頃の私には凄く軽薄に感じた。

「よーちゃん、今日はそっち行っていい?」

「別にいいけど。てか、お前は捨て猫か?」

最近、連泊が続いていた。洋輔にそう言われて気付いた。1度目のデートから勘づいていたのだが、洋輔は私に興味がないようだ。私の事を知らない、知ろうともしない。そんな彼との奇妙な生活が、今のマリ子の唯一の心の逃げ場だった。

(寒くて寂しくて心細くて、独りでどうしようもないや。
きっとここに毛布があれば、無意味に包まっているだろうな)

上辺だけの会話がBGMの様に心地良く、その音が薄い壁の部屋中に響いていた。私の中身なんかには興味の無い男に、安らぎすら感じてしまう。私の学歴なんて、家柄の事なんて。何もかもさっぱり興味ない人と一緒にいてさ、他愛無い話をして。ただ、誰かに甘えたかっただけなんだ。人肌恋しいってこういうことか。

走り出す前から決まっている結末。
マリ子は完全にグレーな関係にはまり、洋輔との奇妙な生活が幕を開けた。好きな顔、好きな香り、そして好きな温もり。全てが彼女のド真ん中で、それは一目惚れに等しかった。あまり言葉は交わさないけれど、落ち着ける場所。付き合うとかじゃないけど逢いたくて。好きかどうかは分からないけど、勝手に身体が彼の元に行きたがるのが、手に取るように分かる。恋愛ごっこが進むにつれ、洋輔に対するマリ子の欲求は日に日にエスカレートしていった。

 (無意識の中にも独占欲って生まれるんだ。背後に見えない影を感じながらも…彼の部屋で二人寄り添う“この瞬間”に、不思議と優越感すら感じてしまう。矛盾だらけの世間への当てつけみたいに。考えてみれば変だよね。こんなのきっと愛じゃないのにね。だけどいいんだ。独りでいるより。少しだけ心が温かいよ。少しだけ。)

 「ねえ、もうちょっとここに居ていいかな?」

「別にいいけど、でも俺は今から仕事行くよ」

「うん。塾の宿題しながら待ってるし。ネット使っていい?いつ帰ってくる?」

「いいよ。時間は分からないな。朝になると思う」

「そっか。お仕事頑張ってね」

幼い頃、私が描いた理想とは程遠い現実。恋愛ってココアみたいに甘ったるくなくて…自販機のブラックコーヒーみたいだね。簡単に手に入るけど、 直ぐに冷えてきちゃう。でも、凍えた手で握り締めると、温かくてさ。ずっと、この温もりが続く訳じゃないけど…その瞬間だけは“幸せ”を感じちゃうんだよね。洋輔の瞳は水晶玉みたいに繊細で綺麗で、あの目でお願いされると私はめっぽう弱い。

pm10:00。
バタンっというドアが閉まる音がして、私はまた独りぼっちになってしまった。
洋輔が元彼のところへ行ったのも、最初から分かっていた。突然一人きりになるとソワソワして何だか落ち着かないので、とりあえず顔を洗う事にした。完全にくつろぎモードだ。洗面台に向かう途中、彼の“過去の記憶”と遭遇した。昔の彼女の歯ブラシやお風呂グッズ、靴下。

(正直、かなり複雑なんですけど)

と、心の中ではそう呟きながらも、私は元彼女のユニクロのルームウエアを着ていて…。得意の妄想を始める前に、慌てて元彼女の歯ブラシの横に自分の洗顔をドカッと置いた。

 “女は部屋中に“忘れ物”というマーキングを残して、
男はその使い古された檻の中に、新しい女を放つ。”

そいうやJAZZの「ブラックコーヒー」って曲はこんな歌詞だったよな。
昔も今も何も変わってやいないよ、男と女は。はー、ちょっとだけ昔の女達に同情してウルッとなった。それにしてもさ、すっごい悪循環。

つづく・・・

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