今尚、世界中の人々に記憶されている【キャメロット】(ジャッキーが描いた光り輝くアメリカの物語)という美談が、一人の女性によって四日間の判断力と行動力で作りあげられたものだとしたら。それらは、愛する旦那(大統領)を守り・国民に安心を与え、そして一人の女性として生きる為の行動であるとすれば。

テレビの中では放映される事がなかった、妻ジャッキーの心理と行動が、現代に生きる女性達に、「強く・逞しく、しなやかに」この社会で生きる術を残してくれた作品でした。
◆ぺぺ的注目1: 恐怖トリガーが凄い!
後に編集者になった彼女が語る、ケネディア大統領暗殺パレードの情景描写は、身も捩れるほどに事細かくリアル。殺害現場の残酷な映像からの恐怖ではなく、語りと音響効果がトリガーとなり心理に迫ってくる手法はアルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」やデヴィット・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」を思わせる。

◆ぺぺ注目2:ファッションと空虚のコントラストに注目!
また劇中でナタリーが身に付けているホットピンクのシャネルスーツ、ピアジェの宝飾品はスクリーンの中で眩いほどに輝きを放っていたが、一人の死によってホワイトハウスが空虚に変わっていく様は、【キャメロット】というおとぎ話が崩れていく物悲しさに変貌する。祭りの後の光と影のコントラストが凄い。

◆ペペ的注目3:女の奇行に注目!
ペペ的に印象的なシーンは、彼が殺害された日、彼女が家(ホワイトハウス)に戻ってくる場面。
1、血みどろの服を脱ぐ
2、一心不乱にシャワーを浴びる
3、いいグラスでお酒を飲み・タバコを吸う
4、レコードをかける(思い出の曲じゃない曲で、おどけて馬鹿になれる曲)
5、クローゼットでお気に入りのファッションと遊ぶ