先日は昼下がりのTSUTAYA調布駅南口店様で、ジャズライブさせていただきました🌹facebookやInstagramを通じて目掛けて駆けつけてくださったお客様。ふらっと足を止めてくださったお客様。本当に嬉しかったです。ありがとうございました。ライブ後記なんですが、映画のタイトル風につけてみました。
実はレンタルビデオ屋さんでライブするのが夢だったんです。
何故かというと、昔、ビデオ屋さんの店員さんに恋をしたことがあったのです。それもPOPを通じて。(説明は以下の読み物でお愉しみくださいませ)
テレビは観ない、映画が好き。何故好きになったかというと、理由もぺぺらしく「地元のレンタルビデオ屋さん」に恋をしたからです。店内に置かれている映画紹介POPの中に、自分の恋愛観や趣味嗜好が似ているスタッフがいたのです。容姿も性別も分からない、未だ見ぬ相手に運命めいた恋心を抱いてしまったのでした。
『恋する惑星』 推薦者:M
『マイブルーベリーナイツ』 推薦者:M
『ガタカ』 推薦者:M
『ギルバートグレイブ』 推薦者:M
『ショーシャンクの空に』 推薦者:M
『ショコラ』 推薦者:M
『パリ、テキサス』 推薦者:M
気なるのは推薦者:スタッフMの存在。ぺぺは彼がお勧めする作品が早く見たくて、好きなアーティストの新譜を待ちわびる音楽少年の様に新しいPOPを待っていたのです。彼のことをもっと知りたいという好奇心で胸がいっぱいの毎日。そんなある日、いつもの様に放課後にレンタルビデオショップでスタッフMの勧める作品を借り、足早にレジへ向かうと、ひとりのイケメン男性スタッフに声をかけられた。
「あの、いつも僕の勧めた作品借りてくれて有難うございます」
「あなたの勧める映画のファンで」
(実はあなたの事を好きになってしまったかもしれません)とは言えず、とりあえず顔がどタイプだったので気絶!隣にいたスタッフの表情からは、ぺぺの存在は「POPで釣れる女」ということでプチ有名人だったようですね。そのあと、彼と連絡先を交換して暫し交流は続きました。
ある夜、近くの公園を一緒に散歩したことがありました。とりとめのない話を星空の下で続け、やはりいつものように映画の話になった。デビュー当時のディカプリオは最高だとか、イーサン・ホークは自分で監督するより役者だけの方がいいとか、ヴィンセント・ギャロは監督をしても変態でいいとか。小生意気にわかった振りが得意なのは、女子高生の特権ですね。
「あ、『ビフォア・サンライズ』は観た?」
「まだ観てないよ」
「『恋人までの距離』っていう邦題なんだけどね。出逢ったばかりの男女がお互いのことを知ろうと、自分のことを良く見せようとウィットに富んだ会話で街中を彷徨うんだけどさ。まるで、今の僕たちみたいじゃない?」
(・・・気絶する音 )
未だ見ぬ相手に恋い焦がれ、ついに出逢った!人はそれを「運命」と呼ぶのでしょうか。運命の相手、実際にそんな完璧な人が居たら怖いですけれども。心の奥では密かに期待しながらも、そんなの絶対いる筈ないだろと半分諦めている。でも、きっと未だに探し続けているんでしょうね、運命の相手ってヤツを。
にやにや。すいません。ライブレポートそっちのけで小話を挟んでしまいました。
そんな思い入れの深いレンタルビデオに囲まれてのライブ、気絶しました。MCの時に、ぺぺと中根さのお勧めする映画をそれぞれ選んだんですけど。ぺぺはジャズしばりで『Ray』にしました。レイ・チャールズの自伝ですが、とにかく映像の色合いがスタイリッシュ。クラシック感を残しつつモダンなムードがあり、内容も映像美も満点です。クラブのママの紐になって、名声を手にしたあと、惚れた女と結婚し、浮気をしドラッグと酒に溺れるという、活字にするとアレですが、いかにもジャズメンらしい人生をお過ごしのようで。目が離せません。